求職者、特に転職希望者は数ヶ月程度の期間で人生を左右する大切な就職先を決定しなくてはいけない難しさを抱え、就職・転職活動をしています。
それにも関わらず、求人票の情報が薄ければ求職者はどう思うでしょうか...?
限られた時間の中で、よく知らない企業を調べることはしません。
だからこそ、求職者が知りたい情報を記載した求人票を作るべきなのです。
ハローワークの求人票で「事業内容」と「会社の特長」は求職者の信頼と安心を掴む大切な項目です。
そして、ミスマッチから生じる早期退職を防ぐ大切な項目でもあります。
給与や勤務条件などの待遇面を訴求している企業は、その部分で競合と比較検討されてしまいます。
そして、待遇面に魅力を感じ入社した職員は、もっと良い待遇面の企業があれば早期に退社してしまうでしょう。
しかし、会社の事業内容、将来性、社内の雰囲気や文化など自社独自の魅力を訴求し、それらを理解した上で入社した求職者は、そうでない場合に比べミスマッチの可能性が低くなります。
これらを理解した上で「事業内容」と「会社の特長」を書けば、あたなの会社の求人票は求職者からの信頼を得ることができる上、ミスマッチを減らす事ができます。
この記事では,
ポイント
・求職者を引き付ける「事業内容」の書き方
・魅力が伝わる「会社の特長」の書き方
・求職者に敬遠される求人票の特徴
・有効活用するために知っておくべきハローワークの仕組み
の順に解説しています。
是非ご一読の上、実践してみてください。
目次
求職者を引き付ける「事業内容」の書き方マニュアル
「事業内容」は1行30文字、計90文字まで記載ができます。
以下の項目から、自社の事業内容を具体的に記載していきましょう。
・どのような事業を行っているか ・どのような商品・サービスを提供しているか ・経営者はどのような人でどのような経営を行っているのか ・近年の業績、従業員数 ・主な取引先 ・お客様にどのような価値を与え事業を継続できているのか
そして、上記の項目に“自社ならではの魅力”を付け加えていきます。
しかし、“自社ならではの魅力がわからない”企業は多いと思います。
求職者の心に響く魅力を見つけるポイントは「現場の声」にあります。
実際に現場で活躍している職員を含めて意見を出しあうことで、当たり前だと思っていたことも“自社ならではの魅力”であることに気付くことがあります。
事業内容を読んでもらい「この会社はしっかりしてそう」「安心して働けそう」と思ってもらえるように記載していきましょう。
では、記載例をみてみましょう。
記載例
・焼肉店「〇〇〇」を関西地区に10店舗出店。「低価格業態を作らない」という戦略や質の高いサービスで3年連続で増収増益をしています。料理を提供だけではなく、お客様の笑顔を作るお仕事です(90文字)
記載例
・工務店だからこそできる、お客様一人ひとりへのきめ細かな対応とサポートで開業30周年を迎えました。新築、メンテナンス、リフォームや修繕まで、家に関する様々なご相談にお応えしています。(90文字)
記載例
・開業2年目。主要取引はファミリーやカップルなどで賑わう〇〇動物園や〇〇水族館などレジャー施設。社長は〇〇歳と若く、斬新なアイデアで皆様の思い出となるグッズのデザインをしています。(89文字)
「事業内容」では、同業他社と一線を画し、自社の個性をしっかり表現していきましょう。
魅力が伝わる「会社の特長」の書き方マニュアル
「会社の特長」も1行30文字、計90文字まで記載ができます。
ここでは、「単なる会社の特長」を記載してはいけません。
『求職者が知りたい会社の特長』を記載していくのです。
では、『求職者が知りたい会社の特長』とはどのようなものなのでしょうか。
具体的な項目は以下の通りです。
・会社の経営方針やミッション
・社内の雰囲気や企業文化、社風
・教育研修制度
・今後の事業展開
求職者は
「職場の働きやすさ」
「自分にできる仕事なのか」
「自分自身が成長できるか」
に関心があり、そして不安を持っています。
パンフレットで記載している内容をそのまま使ってしまうのは、大変もったいないことです。
90文字を存分に使って、求職者の関心と不安に応える『求職者が知りたい会社の特長』を記載していきましょう。
では、「会社の特長」の記載例をみてみましょう。
記載例
・“どんなブランドでも活躍できる販売のプロになる”をモットーに社内独自の研修メニューを作成、未経験から着実に販売力をつけて成長できます。皆様に支持され今年は3店舗がオープンしました。(90文字)
記載例
・当社の強みは「働く職員」。感謝の心で接するからご利用者様も笑顔になれる!職員の負担軽減を考え「残業ゼロ」を実現。多数の介護施設を運営しているので、職員に合った働き方を提案できます。(90文字)
記載例
・強い集客力を持ち、自社ホームページやSNS、口コミ等から多数のお問い合わせをいただき業績は、3期連続増収。2018年に厚労省のホワイト企業認定制度「くるみんマーク」を取得しました。(90文字)
どこまでも求職者の目線になって、求職者が知りたい情報を伝えることが大切です。
求職者に敬遠される求人票にありがちな2つの特徴
多くの企業は採用を成功させたい一心で、様々な工夫を求人票にこらしています。しかし残念ながら、その工夫の中には求職者の惹きつけるどころか、遠ざけてしまうものもあります。
ここでは、よくあるNGな求人票の書き方をお伝えしていきます。
働きやすい環境!その根拠は?
「事業内容」と「会社の特長」は求職者の安心と信頼を掴む大切な項目です。
記載内容の信憑性を持たせるために“抽象的な表現を控える”ことが重要です。
例えば、「働きやすい環境作りを心掛けている」との抽象的な表現は「どんな風に働きやすい環境を作っているのだろうか」と求職者が疑問を頂いてしまいます。
信憑性のある表現をするために、数値や根拠を用いた表現を心掛けます。
例
職員の働きやすさを心掛けている→2018年度の有給消化率は80%
資格支援制度あり→資格支援制度を利用し職員の半数が資格を取得しました。
業績好調です→5期連続2ケタ成長を続けています。
やりがちなNG表現
求職者に働きやすさをアピールする「事業内容」と「会社の特長」でよく見られる“アットホームな職場です”との表現は、ブラック企業の代名詞とまで言われています。
そして、“アットホーム”という言葉に
「組織が崩れてしまっている」
「嫌われてしまったら働けない」
「仕事とプライベートを分けられなそう」
等のイメージを持つ人も少なくありません。
その他、“和気あいあい”も同様にネガティブなイメージを持つ人がいるため、避けるべきフレーズです。
知らないと損をしている!知っておくべき2つのハローワークの仕組み
ハローワークの仕組みを理解し“求人の見せ方”を考えていきましょう。
ここでは「会社の特長」と「事業内容」に関わる知っておくべきハローワークの仕組み2つご紹介します。
「会社の特長」はハローワークインターネットサービスでは表示されない!
モバイル端末の普及に伴い、求職者の約8割はスマートフォンから求人検索をしていると言われています。
そして、ハローワークの求人票はハローワークインターネットサービスから閲覧できるようになっていますが「会社の特長」は表示されません。
その事から、求職者に特にアピールしたいポイントは「事業内容」に記載した方がよいと言えます。
ハローワークの仕組みを理解し求人票の見え方を知ることで、より効果的な求人票を書くことができます。
事業所登録シートは随時更新を....!
「事業内容」と「会社の特長」は事業所登録シートに記載します。
事業所登録シートは、初めてハローワークに求人を出す時に提出しています。
それゆえ、求人を出すごとに提出する必要がないため、情報が古いままになってしまっている求人票が多く見られます。
求職者が知りたいのは“最新の情報”です。
定期的に最新の情報に更新するようにしましょう。
まとめ
この記事ではハローワーク求人票の「事業内容」と「会社の特長」の書き方を解説しました。
「事業内容」は以下の項目に自社ならではの魅力を付け加えます。
「事業内容」
・どのような事業を行っているか
・どのような商品・サービスを提供しているか
・経営者はどのような人でどのような経営を行っているのか
・近年の業績、従業員数
・主な取引先
・お客様にどのような価値を与え事業を継続できているのか
「会社の特長」は以下の内容を記載していきます。
ポイント
・会社の経営方針やミッション
・社内の雰囲気や企業文化、社風
・教育研修制度
・今後の事業展開
“アットホームな職場”や“和気あいあい”はNGワードです。
使うのは控えましょう。
そして、抽象的な表現は控え“根拠”や“数値”を用いた表現を心掛けます。
会社の特長はハローワークインターネットサービスで表示されないので、特に伝えいたいことは事業内容に記載するようにします。
「事業内容」と「会社の特長」は、情報が古くならないように都度、新しい情報に書き換えるようにしましょう。
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