「人材流失が止まらないのに、採用ができない…。」
「優秀な社員が辞めてしまい、現場が回らない…。」
そんなお悩みを解決するヒントをまとめてみました。
この記事をお読み頂ければ、
「優秀な社員がなぜ辞めていくのか」という原因がわかり、
人材流失を食い止めるヒントを見つけて頂けるかと思います。
ぜひ、ご参考にして下さい。
目次
優秀な人材ほど早く辞めていく
優秀な人材ほど、
「転職」や「起業」「フリーランス」など多くの選択肢を持っています。
ですから、優秀な人材ほど会社にしがみついて働く理由はないのです。
ましてや、現在は求職者数よりも求人数が多い求職者優位の売り手市場です。
需給バランスが崩れた転職市場では、
優秀な人材であればあるほど、
多くの企業から声がかかります。
会社には不満があり、
他社からは内定オファーが届いている。
そのような状況下で転職を選択するのは当たり前のことです。
しかし、なぜこれまで以上に人材流失の防止に力を入れる必要があるのでしょうか?
詳しく解説していきます。
優秀な人材の流失が引き起こすリスク
「人材流失が良くないのはわかるけど、どんなリスク生じるのかわからない…。」
という方に向けて優秀な人材の離職が引き起こす3つのリスクを解説します。
具体的には以下の3つです。
①採用・育成コスト増
②生産性の低下
③退職者の連鎖
では、詳しくチェックしていきましょう。
①採用・育成コスト増
定着率が悪ければ、採用のサイクルが早くなり、
それだけ採用コストが引き上がります。
人材のサイクルが早くなれば、
それだけ育成コストも掛かりますから、
会社にとっては大きな損益になりかねません。
そして、現在はバブル期以来の人材難です。
人材紹介では1名の採用者毎に100万円前後の手数料が発生しますし、
求人広告では採用出来るかできないかにも関わらず、
求人広告掲載期間や媒体に応じて数十万円程度の求人広告費が掛かります。
このように、社員1人を採用するためのコストは年々上がっています。
社員を採用できても、
すぐに辞めるの繰り返しでは、採用・育成コストがいくらあっても足りません。
そのため、
採用活動よりも人材流失の対策を優先するべきなのです。
②生産性の低下
成果を上げる優秀な社員は生産性が高い社員とも言い換えられます。
企業にとって重要な資源である「人」が定着し活躍することで
企業の成長を促すことができます。
反対に優秀な社員が定着しない企業であれば、
成長が鈍化し生産性を上げることができません。
優秀な社員が流失し続けることが、
経営悪化をも引き起こす恐れがあるのです。
③退職者の連鎖
「優秀な社員の離職後、次々と他の社員が辞めてしまった...。」
という経験をされた方も多いと思います。
優秀な職員が退職することで
「この会社には将来性がないのかも?」
と他の社員の不安を煽ります。
優秀な社員を(目標)に手本として日頃努力していた他の社員にとっては、
モチベーション低下に繋がるケースもあるでしょう。
優秀な社員は他社員への影響力も強く、
退職者の連鎖に繋がるケースも多いのが事実です。
優秀な社員が辞めてしまう5つ本当の理由
人材流出において、最も重要なポイントは
優秀な社員を定着させる会社作りです。
ここでは、活躍している優秀な人材にフォーカスを当て、
退職するキッカケを作る5つの原因をピックアップしました。
退職の原因
①会社の将来性に不安がある
②やりがい・達成感がない
③頑張っても評価されない
④自分の存在意義を感じられない
⑤社内コミュニケーションが希薄
人材流失の対策を取る上で、原因を知ることは重要です。
では、詳しく確認していきましょう。
理由①会社の将来性に不安がある
膨大な業務に追われ、忙殺された毎日を過ごす中で
「なんのために仕事をしているのか」
「この会社にいても未来はないのではないのか」
と考えてしまうことは、誰しも経験する事です。
このように、業務過多が続き社員が定着しない会社に対して不安が募ることで
退職の引き金になる場合があります。
また、忙しい日々の中で会社が目指すべきビジョンや今後の方向性などが
見えなくなることがあります。
面接や企業説明会などの採用の場では、
人事や企業が自社の魅力をプレゼンするのに、
既存社員には改めて会社の魅力を伝えることをしていない企業は多いのではないでしょうか。
そのことが、既存社員が会社の将来性への不安を作る原因となる場合もあります。
採用時だけではなく、
定期的に経営者側が会社の目指すべきビジョンや今後の方向性を共有する場を設け、
会社のビジョンや目指すべき将来を共有していくことが大切です。
そして、なによりも適切な仕事内容と仕事量を社員に分配することが大切です。
理由②やりがい・達成感がない
目標達成が不可能、あるいは達成が簡単すぎるような目標値は、
社員のやりがいや達成感を引き出せず、
組織の中で自分の存在価値を見出すことはできません。
組織の中で成長感を感じるためには、
適切な目標値を設定することが重要です。
成長感を感じられない職場では、
やりがいや達成感を感じられず、
優秀な社員は物足りなさを感じてしまう原因となります。
若年層では転職=スキルアップと捉える風潮が強くなっています。
優秀な社員を定着させるためにも、
自社で働きながらも、成長を実感していける場を社員に与え続けましょう。
理由③頑張っても評価されない
頑張って成果を出したのに正当な評価がない...。
そのような環境下では、優秀な社員が辞めてしまいます。
さらに現在は、求職者優位の売り手市場です。
現職よりも成果を正当化してくれる企業を見つけることは、
優秀な人材であれば難しくはありません。
また、頑張っても評価されないという環境では、
優秀な社員が力を発揮しない環境を作ってしまうことがあります。
頑張っても頑張らなくても評価が変わらないなら、
成果を出す必要はありません。
しっかり成果を残している優秀な人材にこそ、
正当な人事評価制度が必要なのです。
理由④自分の存在意義を感じられない
現代では“認められたい”という欲求が一層、高まっています。
努力や存在を「認められたい」という承認欲求は、
多かれ少なかれ誰にでもありますが、
SNS内でのコミュニケーションが要因となり、
特に若年層の承認欲求は高い傾向にあります。
「会社から評価されたい」
「周りに認められたい」という欲求が満たされず、
「会社に必要とされているかわからない」という気持ちは社員に退職するきっかけを与えます。
特に、頑張っている優秀な社員であればあるほど、
他者から認められたいという欲求を強く持っています。
このような背景から、
社内の達成会や表彰式など頑張っている社員を称える場を設ける企業が増えています。
理由⑤社内コミュニケーションが希薄
社内コミュニケーションが希薄であることが、
人材流失の引き金になることが多々あります。
これまでご紹介してきた優秀な社員が辞める①~④の根底には
質が低いコミュニケーションが起因しています。
経営者や社員、上司や部下などの雇用する側や雇用される側、
そして仕事を指示する側やされる側等の立場の違いは、
意識や認識のズレがあるのは当たり前ですが、
コミニュケーションが希薄である場合には、
それは大きな歪みとなります。
例えば、上司が部下に対して期待していることがしっかりと共有されていなければ、
社員はどのような目標に向かって仕事を推し進めていけば良いかわからず、
成果を上げることができませんよね?
質の高いコミュニケーションは、
上司や同僚と良い関係を築き、離職を止めるキッカケにもなります。
歓送迎会やシャッフルランチなど
社内のコミュニケーションが活性化する対策を講じると良いでしょう。
退職者が出てからの対策では手遅れ
ここまでお読み頂いた方の中には
「退職者が出てから具体的な対策を考えれば良い」
と悠長に考えている人もいるかと思います。
しかし、退職者がでてからの対策では遅すぎると断言できます。
以下の株式会社エン・ジャパンが実施したアンケート結果をご覧ください。
画像引用元:エン・ジャパン株式会社
アンケート結果からわかるように、
企業が退職の引き留めを行う最も多い理由は
『退職意向の社員が優秀なため』です。
そして、退職の慰留、
すなわち引き留めを行った社員の何割程度が引き留めに応じると思いますか?
以下は転職希望者に行った『カウンターオファー(引き留め)を受けて、
次の転職先に行くのをやめたことがありますか?』というアンケート調査の結果です。
画像引用元:エン・ジャパン株式会社
退職の引き留めに応じたことがある転職希望者はたった24%でした。
すなわち、引き留めが成功する確率が低いことを示しています。
前述したように、
優秀な社員の退職は、企業にとって大きなリスクを引き起こします。
また、優秀な社員が定着せず、人材流失が止まらない企業は、
求職者にとって魅力的な企業ではありません。
社員が定着しない企業に入社したいと思う求職者はいませんよね?
このように、社員の定着は採用活動にも連動しています。
採用難であるからこそ、
まずは定着に力を入れ、人材流失を食い止める必要があります。
定着対策を行わず、採用活動を続けることは
穴の空いたバケツに水を注ぎ続けるようなものです。
具体的な人材流失の対策については以下の記事で解説しておりますので、
ご参考になさってみて下さい。
目指すべき企業の姿は
「いつでも転職できるような優秀な社員が、働き続けたいと思える魅力ある企業」です。
皆様の参考になりましたら幸いです。
まとめ
優秀な社員から辞めてしまう要因には、
求職者優位の売り手市場が関係していると考えられています。
人材流失することで
①採用・育成コスト増
②生産性の低下
③退職者の連鎖
を引き起こします。
そして、優秀な人材が退職する理由として以下の5つが挙げられます。
退職理由
①会社の将来性に不安がある
②やりがい・達成感がない
③頑張っても評価されない
④自分の存在意義を感じられない
⑤社内コミュニケーションが希薄
しかし、退職の引き留めに成功する確率は24%と低いため、
退職者がでる前からしっかりと離職防止策を講じる必要があります。
人材難の時代には社員が定着する会社作りを!
最後まで記事をお読み頂きありがとうございます。
記事の中でも何度かお伝えしておりますように、
採用活動の成功には、
社員が定着する環境作りが欠かせません。
採用した社員が離職することなく、
定着し活躍し続けることで採用・育成コストを抑えることができ、
会社の成長へ投資や、社員への還元など、
会社が好循環するキッカケをも作ることができます。
人材難の現代では、
有料求人媒体や人材紹介サービスなど採用活動だけに絞って採用支援を行う企業が多いです。
これらのサービスは雇用の流動化を生み求職者に多くの選択肢を与えた反面、
定着する土壌が作られていない企業では人材流失が止まらないという事態を引き起こしています。
当事務所では、採用活動のサポートはもちろんのこと、
既存社員が定着して勤務し続けられる基盤作りにも力を入れ、
採用から定着までをトータルでサポートしております。
貴社専任の社会保険労務士が二人三脚でしっかりサポートさせて頂いておりますので、
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